広島という静かな町で、平穏な日々を送っていた桐島晴人は、都からやってきた謎めいた少女・江波ゆづきが突如として彼の家へ同居してくる。東京の喧騒を捨て、青春の思い出が色濃く残る田舎へと戻ってきたゆづきは、その活発で予測不能な精神で、晴人の世界に無理やり飛び込んでくる。当初は予期せぬ同居生活に悩まされた晴人だが、このドジで世話焼きの相棒と共に高校生活を送るうちに、ゆづきへの想いが募る一方で、クラスメイトの神崎七海への密かな恋心を抱え続けるジレンマに陥る。
田舎の生活はシンプルに見えるが、晴人が直面する葛藤は都会の複雑な街並みと似ている。時間の不可解な流れをレンズとして捉え、「君のいる町」は、たった一日がどのようにして見知らぬ者同士を結びつけ、あるいはあっという間に引き裂くのかを描き出す。
収録短編:第6巻 - ユナ