
Hiramaru, Kazuya
概要
主人公の菱丸和哉は、日本神奈川県出身の26歳のサラリーマンで、勤労そのものを嫌悪している。ある日、地下鉄で高木と真白が漫画制作について話しているのを聞き、捨てられた『ジャック』の1冊を見つけ、漫画家になるのが会社員より遥かに簡単だと勘違いした和哉は、辞職して新しいキャリアを歩み始める。天才的な才能を磨き上げた栄二とは対照的に、和哉の才能は未熟で衝動的だ。漫画を描く技術を短期間で独学で習得し、その場しのぎの決断から生まれた才能がいきなり開花し、『オッターズ11』の連載へと繋がった。編集者の吉田浩二は、和哉の意欲のなさから挫折するだろうと予測しながらも、彼の作品を強く推した。 和哉の最大の特徴は極度の怠け者であることで、それがすぐにキャリアを後悔の種に変える。週刊連載のペースを維持できず、労働の必要性に嘆き、疲れたら寝て、お腹が空いたら食べるという単純な願望だけを口にしている。彼を仕事に打ち込ませるため、編集者の吉田浩二はたびたび策略を駆使する。和哉は常に仕事を避けて編集者を逃れようとするため、これは作品全体を通じて繰り返される定番ギャグとなっている。また、和哉は慢性の心気症で、仕事を免れるために深刻な病気をでっち上げる。医師からは健康体だと絶えず証明されるものの、これらの偽りの病状は彼の不安から来ていると理解され、職務の要求から逃れるための都合の良い口実となっている。 彼が本気で動く唯一の理由は、青木ゆり子への強烈な恋慕だ。吉田はこれを逆手に取り、週に一度の青木の近況を報告する報酬として和哉を賄賂で動かす。さらに、怠けや作品名の提出拒否によってゆり子を失うというシナリオを演出して彼を脅す。ゆり子を失う恐怖に駆られた和哉は、自らの不安と吉田の終盤のシナリオによって狂気的な生産性を発揮し、自分の成功が彼女の心を取ることを切に願って、ひたすら働き続ける。







